2022-01-01から1年間の記事一覧

生死事大、無常迅速、時人を待たず、慎んで放逸することなかれ 伝燈録

こうして生きていることは、只だ事ではない。それは無常という素早さの中にある。時間は人間が立ち止まることを許さない。どうして迂闊に毎日を送ることができようか。 西村恵信著『禅語に学ぶ 生き方。死に方』(禅文化研究所)より 師走です。「なんて月日…

手を拍(たた)く 魚は出てくる 鹿は逃ぐ 下女は茶をくむ 猿沢の池

手を拍(たた)く 魚は出てくる 鹿は逃ぐ 下女は茶をくむ 猿沢の池 詠み人知らず 撮影 千田完治 詠み人知らずの歌ですが、他にいくつかの異なる歌があります。以下に二つあげます。 手を拍てば 鯉は寄り来る 鹿は逃ぐ 下女は茶をくむ 猿沢の池 手を拍てば 下…

ボケたりと 目にはさやかに 見えねども 物忘れにぞ おどろかれぬる   小島ゆかり

ボケたりと 目にはさやかに 見えねども 物忘れにぞ おどろかれぬる 写真 千田完治 今月の言葉は、歌人の小島ゆかりさんの歌です。歌といっては作者のご意志に反するかもしれない。ご本人は、有名な歌のパロディーとおっしゃっていますから。元の歌はなんだと…

生まれがあなたをつくるのではない。スッタニパータ

生まれによって賤しい人となるのではない。生まれによってバラモンとなるのではない。行為によって賤しい人ともなり、行為によってバラモンとなる。 「ブッダのことば(スタッニパータ)」より 撮影 千田完治 九月のことばは仏教経典の中でも最も古いといわ…

蝉はやがて死ぬのだが、今日死のうが明日死のうが、そういうことには蝉は頓着しない。持っておる全部を吐き出して、ジューとやるところに、いわれぬ妙がある。鈴木大拙

「やがて死ぬ気色も見えず蝉の声」 蝉はやがて死ぬのだが、今日死のうが明日死のうが、そういうことには蝉は頓着しない。持っておる全部を吐き出して、ジューとやるところに、いわれぬ妙がある。鈴木大拙 写真 千田完治 孫引きではなくてひ孫引きくらいにな…

君看よ双眼の色 語らざるは 愁いなきに似たり     作者未詳

写真 千田完治 君看よ双眼の色 語らざるは 愁いなきに似たり 作者未詳 この言葉はわりと有名で、良寛さん(1758~1831)も、「君看雙眼色 不語似無憂」の十文字を筆にされて墨跡として遺っているようですから、ファンも多い。拙訳すれば、「言葉もな…

昨日が見えない者には明日も見えないのです。 五木寛之著『捨てない生きかた』より

昨日が見えない者には明日も見えないのです。 五木寛之著『捨てない生きかた』より 捨てない生きかた(マガジンハウス新書) 五木寛之 マガジンハウス 今月のことばを紹介する前に、おもしろいというか、へぇーというか、ふーんというか、あっぱれな本を紹介…

自ら物を買う時は再考を要し、人に物を施す時には再考すべからず。 真渓涙骨(またに るいこつ)

自ら物を買う時は再考を要し、人に物を施す時には再考すべからず。 真渓涙骨 涙骨抄: 生きる智慧 涙骨, 真渓 法蔵館 どんな業界にも専門の雑誌や専門の新聞があるように、仏教界にも『中外日報』という週2回発行のタブロイド紙があります。明治30年創刊と…

花は誰のために開くか。花を知るなら一度見れば済むはずである。   西村惠心

花は誰のために開くか。花を知るなら一度見れば済むはずである。それを毎年のように繰り返し見に出かけるのは、一年一年と変わっていく自分を見るためではないか。 西村惠心 禅語に学ぶ 生き方。死に方。 西村 惠信 禅文化研究所 4月8日はお釈迦さまのお生…

仏はつねにいませども うつつならぬぞ あわれなる 人の音せぬ暁に ほのかに夢にみえたまう   『梁塵秘抄』

写真 千田完治 お彼岸の三月。今月の言葉は『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』からとりました。『梁塵秘抄』は平安末期に後白河法皇により編集された今様歌謡集です。当時の流行り歌を集めたといえば良いのでしょうか。 作者未詳のこの歌の現代語訳を『日本…

雪 イトド深シ 花イヨヨ近シ  柳宗悦『心偈(ココロウタ)』より

雪の頃ともなれば、花は既に吾々を待っている「雪 イトド深シ 花イヨヨ近シ」 柳 宗悦箸『心偈(ココロウタ)』より 写真 千田完治 一月も今日で終わり、という日にこれを書いています。前にも書いたかもしれないけれど、月日の流れは、人それぞれで、早いと…

ふじの山 夢に見るこそ 果報なれ  路銀もいらず 草臥もせず  油煙斎永田貞柳

ふじの山 夢に見るこそ 果報(かほう)なれ 路銀(ろぎん)もいらず草臥(くたびれ)もせず 油煙斎永田貞柳(ゆえんさい ながた ていりゅう) 佐藤和喜画 正月のことばを何にしようか。ずいぶん迷いました。時季に応じた、言葉がすんなりと出てこないのは、…