2014-01-01から1年間の記事一覧

好語説き尽くすべからず

勢、使い尽くすべからず/福、受け尽くすべからず/規矩(きく)、行じ尽くすべからず/好語、説き尽くすべからず 『大慧武庫』より 12月のことばは、中国・宋の時代に五祖法演禅師(?~1104)が弟子の仏鑑におくった言葉です。仏鑑はこの時、大きな寺の住…

良寛辞世の句と雅子妃御歌

うらを見せ おもてを見せて ちるもみぢ 良寛 吹く風に 舞ふいちやうの葉 秋の日を 表に裏に 浴びて輝かがやく 雅子妃 11月のことばは、良寛の辞世の句と平成23年歌会始における雅子妃の歌です。良寛の辞世はよく知られた句で、いまさらこれだけを「今月…

詩集『ぼくたちは なく』内田麟太郎著より

ぼくたちはなく価格:¥ 1,296(税込)発売日:2010-01-06 「もしかしたら/にんげんがえらいのは/かなしくても/つらくても/しにたくても/いきているからかもしれない」 10月のことばは、絵本作家の内田麟太郎さんの詩集から、「ぼくたちは」と題された…

『私の履歴書』より東大寺長老・森本公誠師のことば

「釈尊は人生をいかに生きるべきかを説かれた人生相談の達人のようなお方だった」 今月のことばは出来たてホヤホヤです。どういうふうにホヤホヤかというと、収録したのが直近の新聞記事からだからです。日経新聞朝刊「私の履歴書」八月は東大寺長老・森本公…

死をわすれると……青山俊董

死を忘れると生がぼやけてくる 七月下旬に夕立があって、一輪の蓮の花ビラが全部落ちてしまい、風もあったので吹き飛ばされてしまいました。翌朝、あちこちへ散らばった花びらを集めて、鉢の周囲にそれらしくまいたのですが、どうも綺麗にいかない。センスが…

法句経 160より

「自分の救済者は自分自身である。他の誰が救ってくれようか。自分を正しく制御してはじめて、人は得難い救済者を手に入れるのだ」法句経160 ガウディの鍵 (集英社文庫)価格:¥ 1,026(税込)発売日:2013-10-18 今月のことばは法句経の一節です。法句経…

型破りなことをやろうと思うなら……。一龍斎貞水

型やぶりなことをやろうと思うなら、まず型をよく知らなければいけない。そうでなければ、型破りなことなどできない。 考証要集 秘伝! NHK時代考証資料 (文春文庫)価格:¥ 670(税込)発売日:2013-12-04 今月のことばは『考証要集』という本からの孫引きで…

源実朝『金槐集』より

神といひ/仏といふも/世の中の/人の心の/ほかのものかは 源実朝『金槐集』 リケジョのホープがこけた。今のところ、まだ起き上がれずにいるようです。 私は数学なんかできなくても、お布施を計算する足し算だけできれば良い。と育てられた超文系人間なん…

仏法遙かにあらず

青春漂流 (講談社文庫)価格:¥ 555(税込)発売日:1988-06-07 仏法遙かにあらず、心中にして即ち近し 弘法大師空海 境内の桜も散りました。いつまでも、桜の言葉を掲示しておくのも無粋なので、月のなかばで書き換えました。この二か月、文字数の多い言葉…

山本兼一の小説より

大勢の見物人が押し寄せる桜の名所など、ちっともありがたくない。人に知れずとも、ひっそり咲いている山桜のほうが気高く美しい 山本兼一著『命もいらず名もいらず』より 寺の境内の枝垂れ桜が数輪咲いたのは、26日でした。名所でもないし、ひっそりと咲…

ふるさと  室生犀星

雪あたたかくとけにけりしとしとしとと融けゆけりひとりつつしみふかくやはらかく木の芽に息をふきかけりもえよ木の芽のうすみどりもえよ木の芽のうすみどり 今月のことばは室生犀星「ふるさと」です。室生犀星と「ふるさと」で連想するのは、「ふるさとは遠…

与謝野晶子「やは肌のあつき血汐に……」のその後

平成25年5月2日のブログで、 与謝野晶子の「やは肌のあつき血汐にふれもせでさびしからずや道を説く君」(『みだれ髪』所収)の君は、若い頃僧侶であった与謝野鉄幹であるという説あり、高野山の修行僧説や堺市にある覚応寺の跡取りの青年僧説もあります…

せっかく生まれてきたのだもの

「せっかく生まれてきたのだもの/絶望するのはもったいない/なんとかなるさと辛抱して/まぐれ・幸運・喜怒哀楽/とにか一日生きてみて/明日は明日で/また生きる」 やなせたかし『たそがれ詩集』 たそがれ詩集価格:¥ 1,575(税込)発売日:2009-05 今…

一というはじめの数にふみ出す 日なり今日なり正しくあらん 九条武子

新年のことばは九条武子さんの短歌です。九条武子(1912年~1928年)さんは明治時代から昭和の初めに活躍された歌人であり、教育者であり、社会運動家であった。今、六十歳より上の布教師さんがたは、法話や文章に九条武子さんの短歌を頻繁に引用されていま…